レディースブランド サロン BRILLERのブログをご覧の皆様、こんにちは。
Hermèsの定番バッグとして高い人気を誇る『ケリー』。
今回は“選ぶ前に知っておきたい基礎知識”をご紹介します。
目次
1.エルメス(Hermès)とは
最高級のアパレルブランド「エルメス(Hermès)」。
フランス・パリに本社を置くファッションブランドで、1837年にティエリー・エルメス氏が創業しました。2025年現在、188年の歴史を持ちます。
ティエリー・エルメス氏は最初パリにある馬具屋の見習いとして働き始めます。そして、36歳の頃自分の店を開くことに。これがエルメスの始まりです。
エルメスの馬具は丁寧な作りやその丈夫さからブルジョアを中心に評判がよく、ナポレオン3世やロシア皇帝までもが愛用したと言われています。
バッグを取り扱い始めたのは1892年のこと。
エルメス初となるバッグ「オータクロア(haut-à-courroies)」をはじめ、様々なバッグを展開しました。
そして、今では多くの方から指示されるブランドとして確立しています。
●エルメスの上質なレザーと職人技術
エルメスではカーフレザーの名門タンナー「デュプイ社」、そこから独立した「アノネイ社」から仕入れた最高品質のレザーのみが使用されています。
この2社は世界最高峰のメーカーであるといわれており、これらのタンナーのレザーが使用されていること自体が高品質の証となっていますが、エルメスではその中から更なる厳選を重ねた美しいレザーが採用されています。
そして、エルメスのバッグは使用する素材の選定や裁断から縫製、最後の仕上げまで一人の職人による一貫制作が徹底されています。当然大量生産などできないため必然的に生産数が限られ、需要に対して圧倒的に生産数が追い付かないという事情があるようです。

2.ケリー(Kelly)の歴史
ケリーが誕生したのは、1935年のこと。
当初は「サック・ア・クロア」という名前で発表され、旅行や馬具の持ち運びにも使える実用的なバッグとして誕生しました。
元々人気のあるバッグでしたが、その転機となったのは1956年。
モナコ公妃となったグレース・ケリーが公務や私生活でも愛用。そんな彼女が妊娠中のお腹をさりげなく隠すためにこのバッグを手に持った姿が、雑誌『LIFE』の表紙を飾り、注目を集めました。
この出来事をきっかけに、サック・ア・クロアは彼女の名で呼ばれるようになり、1977年に正式に「ケリー」と改称されました。
台形フォルムに立ち上がったハンドル、フラップとベルト金具でしっかり閉じる構造は、もともとの馬具用バッグの堅牢さを受け継いだもの。
同時に、細部まで計算された美しいラインやコンパクトなサイズ感は、ドレスアップした装いにも映えるエレガンスを備えています。
ひとりのプリンセスが愛したことで、ケリーは単なるバッグから永遠のアイコンへ。
その気品ある佇まいは、今も世界中の女性たちを魅了し続けています。

3.デザイン
ケリーの構造がどうなっているかご存じでしょうか。見てみましょう。

バーキンはダブルハンドル仕様ですが、ケリーはワンハンドル。また、ショルダーが付きます。ワンハンドルなため、バーキンのように常にクロアを開けてというわけにはいきませんが、金具だけを閉めるラフな持ち方を行う方もいらっしゃいます。


中の構造はチャックありとなしのポケットが1つずつ。仕切りがないため、荷物をガバっと入れることができるのもポイント。自分好みのポーチに荷物をまとめる方やインナーバッグを愛用する方など、自分にとって使いやすいように荷物をまとめることができるのも魅力です。

4.サイズ展開

ケリー25 W25×H19×D10.5 約600g(ストラップ込)
ケリー28 W28×H22×D11.5 約830g(ストラップ込)
ケリー32 W32×H23×D12 約900g(ストラップ込)
※素材などによりサイズ感が異なります。
ケリーには複数のサイズ展開がありますが、特に女性から人気があるのはケリー25、ケリー28、ケリー32です。
●ケリー25:W25×H19×D10.5
ケリー25は、ケリーの中でも小ぶりで上品なサイズ感です。
バッグには500mlのペットボトルが横にぴったりと入るサイズ感です。コンパクトながらも、スマートフォン・二つ折り財布・キーケース・リップなど、必要最低限の荷物はしっかり収納可能。見た目以上に実用的です。
ただし、書類やPCなど大きな荷物は入らないため、ビジネスユースよりも休日や華やかなシーンでの愛用がメイン。外食や観劇、ちょっとしたお出かけにぴったりのサイズです。
ケリー特有の端正なフォルムと高級感に加え、25サイズならではの可憐さが魅力。荷物をスマートにまとめつつ、気品あるスタイルを演出してくれるバッグです。

●ケリー28:W28×H22×D11.5
ケリー28は、日常使いにちょうどいいバランスのサイズ感です。
500mlのペットボトルを立てて入れられ、スマートフォン・長財布・ポーチ・手帳など、普段持ち歩く荷物をしっかり収められます。25に比べると容量がアップする一方で、大きすぎず上品さを保てるのが魅力。
お仕事にもプライベートにも対応でき、まさに“万能サイズ”。フォーマルなシーンから日常のお出かけまで幅広く活躍します。落ち着いた雰囲気をまといたい大人の女性に人気のサイズです。

●ケリー32:W32×H23×D12
ケリー32は、存在感と収納力を兼ね備えた実用的なサイズです。
500mlのペットボトルや小さい日傘はもちろん、A5サイズのノートや小さめなタブレット、小物類までしっかり収納できるため、ビジネスシーンにも最適。フォーマルバッグとしての上品さはそのままに、日常使いにも十分な容量を備えています。
やや大きめのサイズ感は、きちんとした印象を強めたいときにぴったり。商談や式典など“信頼感”を求められるシーンでも頼れる存在です。シックな装いと相性が良く、長く愛用できるクラシックなバッグです。

より小さいサイズがお好みの方は「ミニケリー」「ポシェットケリー」「ケリーエラン」もおすすめです。サイズ感などはこの後、ご紹介いたします!

5.バリエーション
●素材

トゴやワニ革などの高級素材を使用したモデルが多く存在します。
なかでも人気の高い「トゴ」や「エプソン」は、革に凹凸のある金型をプレスする“型押し加工”が施されており、傷や擦れに強いのが特徴です。日常使いにも適しており、美しさと実用性を兼ね備えた素材として支持されています。一方、「ボックスカーフ」は型押しではなく、表面を滑らかに仕上げたスムースレザー。上品な艶と光沢感があり、持つ人に洗練された印象を与えてくれます。
使用するシーンや、演出したい雰囲気に合わせて、自分に合った素材を選んでみてはいかがでしょうか。
●種類
■内縫い

ステッチが内側に隠れ、柔らかなカーブを描くシルエットが特徴な「内縫いのケリー」。
フェミニンで優しい印象を持ち、デイリーユースにも取り入れやすいバッグとして高い人気を誇ります。特に小ぶりサイズ(25・28)だと可憐で愛らしい雰囲気が強調され、ファーストケリーに選ぶ方も少なくありません。トゴなど柔らかい革との組み合わさることで、より柔和なラインを演出します。
■外縫い

ステッチが外側に出ており、輪郭が際立ったシャープな印象を持つ「外縫いのケリー」。
そのシャープな印象から端正でスタイリッシュ、都会的。お子様の入学式や卒業式など、フォーマルなシーンにも映えるバッグです。大きめサイズ(32・35)だとよりクラシックで重厚な雰囲気に。エプソンやボックスカーフなど張りのあるレザーと相性抜群で、フォルムが崩れにくいので、将来的にお子様にお譲りされることを視野に入れてご購入される方もいらっしゃいます。
■ヴェルソ

バッグの外側と内側でカラーが異なる仕様の「ヴェルソ」。
開けたときに鮮やかな色がのぞき、遊び心のあるデザインです。外側は落ち着いた印象でも、内側にアクセントカラーがあることで、華やかさや個性を演出。シックさと遊び心を兼ね備え、装いにさりげなく彩りを加えてくれます。また、定番カラーを持っている方が「2個目」として選ぶケースも多いです。
■ケリーレター

2018年限定で発売されたとても希少な「ケリーレター」。
「イニシャルケリー」とも呼ばれ、「HERMES」の6文字からインスピレーションを受けた6パターンが登場しており、フラップ(かぶせ部分)にアルファベットのモチーフを模したカッティングが施されたデザインが特徴です。モダンで遊び心があり、クラシックなケリーに個性とエッジをプラス。シンプルなフォルムの中に「イニシャル風」のアクセントが効いており、特別感のあるバッグです。
■カラーマティック

2022年の春夏コレクションで発表された「カラーマティック」。
ケリーのデザインをそのままに、マルチカラーで革の表面にジップポケットを、背面にはフラップポケットを新たに追加し、モダンかつ遊び心のあるスタイルとなっています。遊び心にあふれ、1つのバッグで多彩な色を楽しめるモダンでアーティスティックな仕上がりに。パーツごとのカラーコントラストが際立ち、通常のケリーにはない特別感を演出。まさに“持つだけで主役”になる存在感があるバッグです。シンプルな服装に合わせることでバッグのカラーが引き立ち、よりファッショナブルになります。
■ミニケリー2

まさにケリーを小型化したような手のひらサイズに近いコンパクトさのある「ミニケリー2」。
アクセサリー感覚で持てる華やかさがあり、ジュエリーのように装いを格上げしてくれます。まさにパーティや特別な場にも映えるバッグです。ストラップ付きで斜め掛けも可能。小さいながら存在感が抜群で、エルメスの中でも特に高い人気を誇ります。
すでに生産が終了したミニケリー、現行のミニケリー2、そして限定生産のミニミニケリーがあります。
・ミニケリー W20cm×H16cm×D9cm
・ミニケリー2 W19cm×H12.5cm×D5.5cm
・ミニミニケリー W15cm×H11cm×D8cm
■ポシェットケリー

フォルムをそのまま横長にしたクラッチバッグ型の「ポシェットケリー」。
ハンドル付きで手持ちできるのが大きなポイント。上品かつコンパクトで、フォーマルシーンにぴったり。クラッチとしての優雅さと、ケリーらしい気品を兼ね備えます。ハンドル付きのため、クラッチよりも扱いやすく、パーティや華やかな席で活躍するのは魅力的なポイント。ミニケリーよりもやや横長で、スマホやリップなど必要最低限の小物を収納可能です。
・ポシェットケリー:W22cm×H13cm×D7cm
■ケリーロングトゥーゴー

ケリーのフラップデザインを取り入れたウォレット(長財布)型「ケリーロングトゥーゴー」。
取り外し可能なショルダーストラップ付きで、バッグ感覚でも使えます。クラシックなケリーの気品を持ちながら、スマートで実用的。カジュアルにもドレスアップにも合わせやすいデザインです。財布・ミニバッグの2WAYで使えるため、旅行やパーティなど荷物を最小限にしたいシーンに最適。カードスロット、ファスナーポケットを備えており、コンパクトながら機能性が高いのが魅力です。
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■ケリーダンス2

トップハンドルをなくし、ショルダーストラップの使い方によって複数パターンで楽しめる「ケリーダンス2」。
クラシックなケリーの気品を保ちながらも、より自由でカジュアルなデザインです。名前の通り“ダンス”のように軽快で動きやすいスタイルを演出。ショルダー、クロスボディ、クラッチ、ウエストポーチ、リュック風など、多彩な使い方ができる。まさに「1本で何役もこなす」万能さがあります。
・ケリーダンス:W22cm×H18cm×D8cm
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■ケリーエラン

2023年に登場したケリーをスリム&横長にアレンジしたクラッチ型モデル「ケリーエラン」。
フラップにケリーのシグネチャーである金具(ターンロック)を備え、アイコニックな雰囲気をそのまま継承。エレガントで都会的、フォーマルシーンに映えるバッグでシャープで洗練されたラインが特徴です。通常のクラッチバッグよりもケリーらしい気品があり、「ミニマルだけど存在感のある」スタイルを演出。横長で薄型のため収納は最小限(スマホや小物程度)。“アクセサリー感覚のバッグ”として楽しめます。
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■ケリーピクニック

オークションでも高値で取引されるほど希少な、エルメスのエスプリを感じさせるカゴバッグ「ケリーピクニック」。
まさに「ピクニックバスケット」から着想を得たデザインを持ちます。ナチュラルでリラックス感がありながらも、ケリーらしい気品を残したユニークな存在。リゾートやサマースタイルに映えるバッグです。希少性が高く、ファッションアイコンたちの間でも人気。収納力は限られるが、アクセサリー感覚で持てます。
■ケリーアッカド

2023年に登場した「ケリーアッカド」。
オータクロアを元にして作られたことを示していることが、金具のデザインからも分かります。ワンショルダーのストラップが太めなので、持ちやすく、実用性も兼ね備えてたバッグです。
■ケリータッチ

フラップやハンドル、ストラップ部分に異なる素材をあしらった、特別仕様の「ケリータッチ」。
シンプルなケリーに、部分的なエキゾチックの艶感がアクセントとなり、控えめながらもラグジュアリーな存在感を放ちます。オールエキゾチックよりも取り入れやすく、日常使いもしやすい。それでいて“さりげない特別感”を楽しめるバッグです。
■ヒマラヤ

クロコダイル(ニロティカスやポロサス)を使用し、雪山「ヒマラヤ」の情景を思わせるように、ホワイトからグレーへのグラデーションカラーで染色された特別モデル「ヒマラヤ」。
圧倒的な存在感を放ちながらも、モノトーンの色調で上品かつ落ち着きがあり、ラグジュアリーの極みを体現。「世界で最も高価なバッグのひとつ」として知られ、オークションでは数千万円で落札されることもあるコレクターズアイテム。バーキンと並び“エルメスの頂点”とされています。極めて流通量が少なく、希少中の希少モデルです。
■パーソナルオーダー(スペシャルオーダー)

限られた顧客にのみ許される、エルメスのオーダーメイドシステム「パーソナルオーダー(スペシャルオーダー)」。
素材・カラー・ステッチ・金具などを自由に組み合わせ、自分だけのケリーを作ることができます。世界に一つだけのバッグという特別感があり、自分のライフスタイルや個性を反映できるため、まさに“究極のケリー”。表と裏で異なる色を選んだり、金具を特別仕様にしたり、細部までカスタマイズ可能。ブランドと顧客との深い信頼関係の証でもあります。そもそもオーダーできる顧客は限られており、市場に出回る数も非常に少ないバッグもBRILLERに入荷する可能性があります。
■ケリードールピクト

こちらは「ケリードールピクト」。
ケリーに顔と手足がついたドールバッグは、かつて「ケリードール」の名前で誕生し注目の的に。新たに誕生したケリードールピクトは、その名の通りピクセルアートのようなデザインとなっています。フロントのベルトやクロアを手足に見立て、バッグがまるで表情を持つような造形と遊び心があります。ユーモアと愛らしさを備えた、従来のケリーとは全く異なる“チャーミングな存在感”があり、アートピースのようにコレクションされることが多いバッグです。
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したように、ケリーにはサイズや素材、デザインのバリエーションが非常に豊富です。
一生もののバッグだからこそ、まずは基本を知り、自分のライフスタイルや好みにぴったり合う一品を選びたいもの。
ぜひ、長く愛せる運命のケリーを見つけてみてください。
▼ご紹介商品はこちら
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