映画と時計〜 コードネームU.N.C.L.E.と同年代のカメレオン~

レディース腕時計専門店BRILLER(ブリエ)のブログをご覧の皆さまこんにちは。
今回は不定期連載をしている『映画と時計』の第3回です。
《『映画と時計』のバックナンバーはこちら》

今年はコロナ禍によりエンタメ業界全体も深刻な業績不信に陥っています。
そんな中、9月に『TENET(テネット)』が公開され、映画興行の起爆剤となっているとか。
また、来年4月に延期となってしまった007最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が封切りとなったら多くの人出が見込める事でしょう。
つまり…皆さんスパイ映画、大好きなのでは?
ということで、今回は60’sの薫りを感じられるスパイ映画『コードネームU.N.C.L.E.』と同年代の時計、ロレックス カメレオンをご紹介します。

【コードネームU.N.C.L.E.(2015年公開 アメリカ・イギリス)】

[あらすじ]
東西冷戦真っ只中の東ベルリン。
自動車整備士の女の子ギャビー・テラーのもとに1人の男性が訪ねてきます。
彼の名前はナポレオン・ソロ。CIAのトップエージェントで、ギャビーを西ドイツに亡命させる為に潜入してきたのでした。
ところがソロがギャビーに接触した途端、KGBの凄腕エージェントから執拗な追跡を受ける事に。
迫りくる『赤の脅威』に慄くものの、ギャビーのドライビングテクニックとソロのスマートなアテンドにより、辛くもベルリンの壁を越えることに成功。
しかし、任務を終え安心したのも束の間、ソロはボスから更なる任務を課せられることになります。
それはギャビーに協力させ、国際テロ組織にいる天才科学者(ギャビーの父親)を確保、核兵器の大量生産を阻止すること。
そして、この作戦を宿敵KGBと協力し遂行すること…。
そうして引き合わせられたのは、前日デッドヒートを繰り広げた『赤の脅威』イリヤ・クリヤキンだったのです。
お互いの能力は認めつつも、とにかく相性の悪い2人。反発し合いながら無事世界を救うことが出来るのでしょうか。

メインキャストにヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー、アリシア・ヴィキャンデルという、今なら揃える事が困難であろう面々を起用した本作は、60年代に人気を博したTVドラマのリメイク作品です。
最新鋭の諜報アイテムなどは無く、野暮ったくも感じられるアクションシーンが満載。
かわりにセリフ回しやカット割り、ライティングなどでスタイリッシュかつウィットに富んだ仕上がりにしているところが、さすがガイ・リッチー監督です。
そして、リッチー監督が細部にまでこだわり抜いたという60年代当時のクラシック・カーの数々や、シーンにマッチした音楽、歴史を感じるイタリアのロケーションがストーリーに彩りを添えています。
冷戦下の状況を説明するオープニングでは『Compared To What』をBGMに当て、当時のアメリカとソ連の対立図式をもじったり、テロ組織が所有するヘリコプターが、1964年公開の『007 ゴールドフィンガー』で実際に使用されたものだったりと、挙げればキリがないほど小ネタに溢れ、とにかく『粋』の一言。
中でもファッションは、キャラクターの魅力を最大限に表現していて、スパイアクションに興味のない女性が観てもきゅんとする事間違いなしです。
キュートで小悪魔的な魅力のギャビーは軽やかなミニスカートワンピースを着こなし、ツィッギーのようなレトロポップを体現。
二枚目でセクシーなソロは全身をイギリスの老舗ビスポークで揃え、能力の高さと同じくらいスタイルにこだわる性分が滲み出ています。
堅物でナイーブなクリヤキンはカジュアルなタートルネックのニットにブラウンのスエードブルゾン。血統に誇りを持つ彼の手元には父の形見として受け継いだロシア製の腕時計が。
この腕時計がのちのストーリーにも関わってくるのですが、それは観てのお楽しみです。

1969年にSEIKOからクォーツ(電池)式の時計が発表されると、精度の高さや巻き上げ不要という使いやすさから大きな話題を呼びました。
その影響で一時は機械式時計の生産数が激減し、存続が危うくなった時計メーカーが出るほど。
のちに『クォーツショック』と呼ばれ時計史に刻まれたこの出来事以降、機械式時計の価値は工芸品や美術品に近しいものであるとの位置付けがなされ、新たな価値観が生まれるきっかけにもなりました。
同時にレディースウォッチの主流はクォーツ時計中心にシフトしてゆきます。
理由はレディースウォッチの小さなケースには複雑でパーツ数の多い機械式よりも、小型化しやすく精度の安定したクォーツムーブメントの方が適していた事や、宝石をセッティングしたりジュエリーのように華やかなデザインにするなど宝飾的要素で付加価値をつけやすいレディースウォッチには、機械式ムーブメントによる付加価値をつける必要性が少なかった事などが挙げられます。

しかし、今回ご紹介する時計はクォーツショック以前、正にコードネームアンクルの舞台と同じ1960年代に製造されたアンティークウォッチ。
しかもロレックスの現行品にはない手巻き式の腕時計です。
当時の雰囲気そのままのデザインと、ちょっと手がかかるからこそ愛着が湧く手巻き式ムーブメントを搭載した『カメレオン』を是非おすすめしたいのです。

【ROLEX ロレックス カメレオン プレシジョン アーモンドケース イエローゴールド】

レディースのアンティークウォッチで最も有名と言っても過言ではないカメレオン。
昔から大変な人気ではあったものの、近年日本で有名になったのは、松嶋菜々子さんが2000年のTVドラマ『やまとなでしこ』のなかでカメレオンが欲しいとねだるシーンがきっかけでした。
『カメレオン』が何のことか分からず爬虫類の置物をプレゼントしてしまうというお茶目なエピソードと、アンティークウォッチらしい小さな時計のフォルムに多くの女性が心をときめかせたのです。
これ以降も映画やドラマの衣装にはカメレオンが多く採用されています。

1950年〜60年代の短い期間にのみ製造されたカメレオンは、たった15mmほどの小さなケースの中に手巻き式のムーブメントを収めています。

カメレオンという名前の由来は、その日の気分や服装に応じてストラップの交換が簡単にできるという特徴が、まるで景色に合わせた色に擬態するカメレオンのようだから。
発売当時のキャッチコピーは『the only watch in the world with a WARDROBE(世界で唯一衣装ダンスを持つ時計)』でした。
この画期的なコンセプトと、第二次世界大戦後にディオールにより花開いたニュー・ルックの潮流とが呼応し大ヒットをおさめます。
映画の中でソロとクリヤキンがギャビーのために洋服を選ぶシーンがありますが、ディオールやラバンヌなど60年代を代表するブランドの数々が見られます。
当時はこれらのファッションにカメレオンをプラスオンし、コーディネートの仕上げをしていたのだろうと思いを巡らせるとワクワクしてきます。

ケースの裏側を見ると、ストラップを通すためのスペースがあります。
セットされているストラップを抜き取り入れ替えるだけで交換が完結するので、大袈裟で無く付け替え5秒です。

【ケース裏のスペースから】

【ストラップを抜いて】

差し替えるだけ!

この商品には現在セッティングされているブラッククロコダイルのストラップの他に、レッド、ネイビー、ブラウンのストラップも付いてきます。

カメレオンの魅力は多彩なケースデザインにもあります。
定番のラウンドケースにフルーテッドベゼルのロレックスらしいものから、風防のフチに美しいカットを施したジュエリーライクなものなど、たった20年程の製造期間にもかかわらず、様々な趣きのデザインが把握しきれないほどに存在します。
今回ご紹介するデザインは、ちょっと捻りを効かせたアーモンド型のケース。

ラウンド型よりもさらにアンティークウォッチらしい大人の雰囲気で、現行品には真似することの出来ないオリジナリティが魅力です。

なるべくケースの形状を変えないように、あえて外装の磨きは行っていません。
ベゼルや裏蓋に経年による変色がありますが、この年代ならではの風合いをお楽しみいただけます。
※実際に見るよりも画像の方が変色がわかるように撮影しています。

文字盤はイエローゴールドとなじみの良いシャンパンカラーの文字盤。
年代相応の経年変化は見受けられるものの、ROLEXのロゴやSWISS、PRECISIONの印字がはっきりとしています。

『PRECISION』は正確や精密を意味する単語ですが、ロレックスではノンクロノメータームーブメントを搭載したモデル、主に手巻き式の製品に印字されています。
クロノメーター規格では無いものの、ロレックス基準で精密である証として、自信を持ってつけられた印字です。
2007年に全ての製品にクロノメータームーブメントが搭載されるようになりPRECISIONダイヤルは姿を消しました。
時計の持つ歴史を想像すると、毎日ゼンマイを巻き上げるという手巻きならではの作業も愛着を持ってできるのでは無いでしょうか。
現在では個体数も少なくなってきているロレックスのアンティークウォッチ『カメレオン』で、秋冬のコーディネートをお楽しみください。

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ところで、私が密かに望んでいる夢はクリストファー・ノーラン監督、ヘンリー・カヴィルボンドで007を撮って欲しいというものなのですが(欲を言えばQにマイケル・ケイン)、カヴィルが本作にてボンド的なスパイを演じた事と、ノーランがTENETで超大作系スパイ映画を製作した事で遠のいてしまったのかもしれません。
コードネームU.N.C.L.E.のエンディングはニーナ・シモンの『テイク・ケア・オブ・ビジネス』ですが、「私のためにやるべき事を果たしなさい。」と歌うこの曲は、まさにこの映画のテーマと私の切実な願いにぴったりの選曲です。

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